レンタルサーバーを選定比較する際に皆さんは、何を基準に比較検討していますでしょうか。
価格、サーバースペック、マルチドメインの数など様々かと思いますが、リスク低減も重要な要素の一つです。
レンタルサーバー選定比較項目
下記はレンタルサーバーを選定比較時に検討しておきたい項目です。選定比較を行う方は是非参考にしてみてください。
- 会社名(例:KDDIウェブコミュニケーションズ)
- プラン名(例:ACE01)
- 価格(例:3,800円(税抜き)/月〜)
- マルチドメイン数(例:無制限)
- ディスク容量(例:無制限)
- データベース数(例:無制限)
- サーバースペック(ベンチマークの結果など)
- SSL(サーバー証明書の価格)
- バックアップ先(リスク低減項目、記事内で説明あり)
- ウェブ・メールサーバー構成(リスク低減項目、記事内で説明あり)
- サポート(リスク低減項目、記事内で説明あり)
- 過去の障害状況(リスク低減項目、記事内で説明あり)
- 特徴(その他特徴)
リスク低減とは
レンタルサーバーは少なからず障害やメンテナンスによるサーバー停止が度々起こります。このサーバー停止中はウェブサイトが閲覧できない状態です。
各社によって年間のサーバー停止時間は異なりますが、サーバー稼働率99.99%から、99.97%程度で稼働していることが多いのではないでしょうか。
仮にサーバー稼働率が99.99%だとすると、サーバーは年間で99.99%稼働していたという事になります。残りの0.01%は年間で約53分停止していたということになります。(99.9%の場合は年間で約8時間45分停止)
絶対に落ちないサーバーはありませんので、サーバーの障害が起きたときに、リスクをどれだけ低減できるかというのもサーバーの比較項目には重要な要素になります。
サーバー比較時のリスク低減項目
レンタルサーバーを比較する上で、考えておきたいリスク低減項目は下記の通りです。
- バックアップの取得先
- サーバー構成
- サポート体制
- 過去の障害状況
バックアップの取得先
レンタルサーバーに限らず、ウェブサーバーは、いつ障害が起こるか分かりません。
障害の種類や大きさにもよりますが、ウェブサーバーに保存していたデータが全て消えるということも少なからず起きています。
全てのデータが消えてしまった場合や、データを改ざんされてしまった場合など、バックアップを取得していることで、素早く復旧することができます。
バックアップの取得で気をつけること
バックアップ取得ですが、1つ気をつけたいことがあります。それは稼働しているウェブサーバーとは別のサーバーにバックアップを取得するということです。
ウェブサーバーにバックアップを取得している場合
ウェブサーバーにバックアップを取得している場合、ウェブサーバーが障害により停止すると、バックアップデータを取得することもできなくなります。緊急時にバックアップが取得できないことの他に、万が一ウェブサーバーのディスクが故障した場合は全てのデータを失ってしまいます。
ウェブサーバー以外にバックアップを取得している場合
ウェブサーバー以外にバックアップを取得している場合は、ウェブサーバーが障害により停止をしても、バックアップを取得することができますので、緊急時にバックアップを使う事ができます。
上記の通り、ウェブサーバーとは別のサーバーにバックアップを取得することは選定比較の重要項目です。
サーバー構成について
多くのレンタルサーバーは、ウェブサーバーと、メールサーバーが同じサーバーで稼働していることが多いです。
バックアップサーバー同様にウェブサーバーとメールサーバーは分離していることが望ましいでしょう。
理由は、ウェブサーバーの障害時にメールサーバーがダウンする。メールサーバーの高負荷時に、合わせてウェブサーバーも高負荷になる。
どちらか片方が障害になると、合わせてもう一つ落ちるよりも、原因のどちらかのサーバーだけが落ちるほうが、リスクを最小限にすることができます。
マルチドメイン
マルチドメインについても少しだけ注意です。
注意したいポイントは、マルチドメイン登録時に、同一のウェブサーバーにウェブサイトがが搭載されるのかどうかです。(マルチドメインとは、1契約でウェブサイトを複数設置すること)
同一のウェブサーバーに集約される場合、マルチドメインで100サイトのウェブサイトを構築していると、1度の障害で100サイトがダウンします。
搭載されるウェブサーバーが分散される構成ですと、障害時の対応を軽減することができます。
確認方法
Macの場合:コマンドプロンプトを起動し下記のコマンドを実行
dig example.com
結果
;; ANSWER SECZTION: shared-blog.kddi-web.com. 300 IN A 158.***. ***.***
Windowsの場合:コマンドプロンプトを起動し下記のコマンドを実行
nslookup example.com
結果
名前: shared-blog.kddi-web.com Adress: 158.***.********
表示されたIPアドレス(158.***.***.***)が、ウェブサイトごとに違う場合は、マルチドメインは別サーバーに搭載されています。
サポート体制
万全な体制をとっていても障害は起きるものです。絶対に落ちないサーバーはありません。
この障害になったとき、メールでしか連絡できないのか、電話連絡できるのかでは大きな違いがあります。
ウェブサイトの運用を請け負っているウェブ制作会社の担当者は、サーバー障害時にサイトオーナーから、いつ復旧するの?障害の影響範囲は?と問い詰められることでしょう。
その連絡でレンスポンスの悪いメールよりも、電話で連絡できた方が、クライアントへの対応も早くなります。
また、各社によって電話サポートできる時間帯が違います。24時間365日電話対応していただける会社はさらに安心ですね。
過去の障害状況
個人的にはここが一番重要な要素だと考えています。
初めてウェブサーバーを借りる場合で、どこも信頼できない方は、その会社の障害情報を確認してみてください。
障害情報を確認すると、どの程度の期間で、どれくらいサーバーがダウンしていたかの情報を確認することができます。
できるだけ障害が少ない会社を選ぶことで、リスクが起きる確率を下げることができます。
CPIの障害情報
まとめ
上記のことから、リスク低減を考慮したレンタルサーバー選定比較には下記の要件を満たすことが重要だと言えます。
- バックアップは、ウェブサーバーとは別のサーバーに取得していること
- ウェブサーバーとメールサーバーは分離していること
- 障害時などサポートに電話連絡ができること
- 過去の障害状況を確認すること
レンタルサーバーCPIでは、これらのリスク低減を考慮したサーバー構成です。また、ウェブ制作者をラクにするためのサーバーツール(SmartReleas)
を標準で利用することができます。ぜひサーバー選定比較時に参考にしてください。
レンタルサーバーCPIのサーバー構成
ACE01のマルチドメインは、サーバーを申し込むタイミングによって分散される構成となっています。
(必ず別サーバーに搭載されるわけではございません)
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